保育士ママのなるほど!育児-Kumama-

現役保育士の一児のママのブログです。こどもの発達の過程にもとづいて、月齢・年齢に合わせた遊びや、発達を促すおもちゃを紹介します。★全国保育士養成協議会の会長表彰を受賞★

トイレトレーニング-うんちの自立編-

トイレトレーニング

トイレトレーニングでは、子ども自身が尿意・便意を感じてトイレで排泄できるようになることを目的としています。トイレトレーニングは、体の発達・脳の発達・言葉の発達と実は様々なことが入り組んでいて、ずっと奥が深いものです。おおまかにトイレトレーニングのことを説明する記事はたくさんありますが、このブログではもっと掘り下げてトイレトレーニングについて記述していきます。一般的なこどもの発達過程と、私が実際に保育経験の中で感じた知識や子育てをする中で学んだことなどを総合的にまとめ、細かく記述していきます。

今回は排便についてのメカニズムと大人の関わり方についてご紹介です。

※おしっこの自立に関しての記事はこちら↓

トイレトレーニング-おしっこの自立編- - 保育士ママのなるほど!育児-Kumama-

うんちの特徴

  • 何を食べたかによってうんちの形状や色、臭いが変わりやすい。
  • 体調の変化を受けやすく、色が変わったり、便秘になったり、下痢になったりする
  • 成長に伴って食べ物も変化し、消化吸収能力も上がるので、大きくなるにつれてうんちの状態も大きく変化する。その為、離乳食開始前と離乳食の4つの段階、幼児食の時期でうんちの形状や色が大きく異なる。

うんちのコントロール

排便の自立(ここでは、便意を感じて自分でトイレに行き、うんちが出来ることを指します)をするには、おしっこのときと同様に体と脳の発達が深く関係しています。また、食べ物の影響を受けやすいので、離乳食(または幼児食)がどの程度進んでいるかということも重要です。こどもの一般的な発達過程は以下の通りです。

※離乳食の4つの時期についての記事はこちら↓

離乳食の目的と4つの時期 - 保育士ママのなるほど!育児-Kumama-

排便に関する発達過程

  • 0~6ヶ月:反射的に排便する。
  • 6~12ヶ月:うんちがたまる感覚が分かる。
  • 1~2歳:便意を感じることが出来、うんちが出たことを自覚する。排便した際に、それが「うんち」であることを知る、またはうんちと言われると何か分かる。
  • 2歳~3歳:いきむことに慣れてくる
  • 3歳~:便意を感じてもトイレまで我慢できるようになる

成長による変化

  • うんちの形状がみずっぽいものから固形になる
  • 一日にするうんちの回数が減る
  • 排便時間が整ってくる

月齢別!発達過程とトレーニングの進め方

0ヶ月:特徴的な便が出る

生後24時間以内に胎便が出ます。その後、母乳やミルクを飲み始めると、移行便になり、母乳を十分に飲むようになると、普通便になります。

1ヶ月~4ヶ月:反射的にうんちをするが、いきむための基礎も出来てくる

離乳食開始前のこの時期の食事は母乳やミルクが中心となります。その為、消化にかかる時間が短く、便が水っぽい・または泥状で、便の回数が多いのがこの時期の特徴です。また、この頃の赤ちゃんは意識して排便をすることが出来ず反射的にうんちをします。首がすわって体をたくさん動かせるようになったり、寝返りが出来るようになると腹部の筋肉もついてきて、いきむための基礎もできあがってきます。月齢が進むにつれて消化機能も高まってきて、少しずつうんちが水っぽい状態からドロドロ状になっていきます。

5~6ヶ月:離乳食初期。下痢や便秘になりやすい

離乳食開始の目安の時期です。今まで母乳やミルクが中心だった赤ちゃんも、少量ですが他の食べ物を口にするようになります。その為、離乳食の開始直後は、便秘や下痢になりやすいと言われています。うんちの形状も軟便になります。

7~8ヶ月:離乳食中期。いきむことはトイレトレーニング開始のサインのひとつ

離乳食の量が増えることによって、消化にかかる時間が長くなってきます。便の形状も次第にかたく、かたちになってきます。うんちがたまった感覚も分かるようになったり、いきむための筋力が付いてきたりして、排便の自立に大切な「いきむ」という動作が出来るようになってきます。いきむことが出来るようになると、こどもがいきんでいる際にすぐにトイレに連れていくと、トイレでの排便に成功することもあるでしょう。オムツ以外の場所で排便する体験を早いうちから重ねたいなら、この時期からのうんちのトイレトレーニングがオススメです。

9~11ヶ月:離乳食後期。いきむ様子が更にわかりやすくなる

必要な栄養の半分は離乳食からとるようになり、うんちがよりかたちになってきます。この頃には、うんちがたまる感覚がはっきりと分かる子が多いので、おこさまがいきんでいる様子が分かりやすくなります。食事のリズムが整ってくるので、以前よりは排便時間がわかりやすくなります。

1歳~1歳6カ月:離乳食完了期。排便時間が整ってくる

必要な栄養のほとんどを離乳食からとるようになります。また、1歳6カ月までに離乳食を完了させ、幼児食へと移行する目安の時期です。食べるものが大人とほとんど変わらなくなってくるため、うんちの色やかたさ、臭いも大人のものに近付きます。午前寝がなくなる子どもも出てきて、午後一回のおひるねになったりと、生活リズムがはっきりと整ってくる時期なので、排便時間もおおよそ決まってくるようになります。その為、保護者の方が、おこさまの排便時間を把握することで、この時間ならうんちがでるだろうと予想して、いきむ前にトイレに連れて行って排便を促す事も可能になります。排便した際には、それが「うんち」であることを伝えるようにしましょう。こうすることで、「うんち出る?」と聞くと、こどもも、でるかもしれないと思ってトイレで意識的にいきむようになります。便意を感じてから、長くうんちを我慢することはできません。排便時間を予想しやすいおこさまの場合は、この時期にうんちのトイレトレーニングを開始するのがオススメです。

1歳6カ月~2歳:幼児食。うんちが出たことを言動で大人に知らせる

うんちがでたら行動か言葉で知らせるようにしていきます。また、引き続き排便時間にトイレに誘ってみたり、いきむ様子や、物陰に隠れるなどしてうんちをするサインをしたらトイレにつれていきましょう。トイレでうんちをする習慣を身につけると、トイレでお尻を汚さずにうんちしたいと思うようになります。

2歳~3歳:トイレでうんちをする習慣をつけましょう

いきんでいる時にトイレに連れていく、排便時間に誘う、うんちが出たら「でた」と言動で伝えることを繰り返し行うことが大切な時期になります。うんちはトイレでするものだということが頭で理解できるようになります。うんちはトイレでするということが分かって、それをやってみたいとおこさまが思っているならうんちのトイレトレーニングを開始する目安になります。

3歳~:便意を短時間我慢できる

便意を感じても、トイレまで我慢できるようになってきます。排便のコントロールがうまくいくようになり排便の自立につながります。

まとめ

[月齢別!発達過程とトレーニングの進め方]では、分かりやすいように月齢別に記述しましたが、排便のトイレトレーニングで重要なことは月齢や年齢に合わせることではなく、おこさまの発達段階や離乳食(または幼児食)の進み具合、日々のおこさまの様子や気持ちに寄り添うことです。

排便のトイレトレーニングでは、早くてもいきむことができてから始めるようにすると良いでしょう。トイレでうんちをする経験を重ねることで、意識的にトイレでいきむことに慣れるようになります。また、うんちに関しては、おしっこよりも情緒面が反映されやすいとも感じます。おこさまの気持ちを尊重しながら、自信につなげていくことが大切です。

トイレトレーニングを始める時期の目安に、こどもが自分で歩ける、言葉が分かる、意思を伝えられる、排尿間隔が2時間以上あくなどの項目がよく取り上げられます。それは、だいたいその時期には、体の発達・脳の発達・言葉の発達が整っていて、保護者の方もはじめやすいですよ、ということなのです。しかしながら、おこさまにとって最適な始め時はこの限りでないこともあります。うんちの自立に関しては、いきむことができたら、少しずつ開始した方が結果的に上手くいく場合もあるでしょう。排便のトイレトレーニングをいつ始めるかは、おこさまと保護者の方の準備が整ったらで良いと思います。

トイレトレーニングは、おこさまが自分と向き合っている大切な時間でもあります。できなかったことよりも、できたことに着目できるようにしてあげることが、私は最も重要であると思います。排泄の自立は自信に大きくつながります。たくさん褒めて、嬉しい気持ちを共有できるといいですね。

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