保育士ママのなるほど!育児-Kumama-

現役保育士の一児のママのブログです。こどもの発達の過程にもとづいて、月齢・年齢に合わせた遊びや、発達を促すおもちゃを紹介します。★全国保育士養成協議会の会長表彰を受賞★

トイレトレーニング-おしっこの自立編-

トイレトレーニング

トイレトレーニングでは、子ども自身が尿意・便意を感じてトイレで排泄できるようになることを目的としています。トイレトレーニングは、体の発達・脳の発達・言葉の発達と実は様々なことが入り組んでいて、ずっと奥が深いものです。おおまかにトイレトレーニングのことを説明する記事はたくさんありますが、このブログではもっと掘り下げてトイレトレーニングについて記述していきます。一般的なこどもの発達過程と、私が実際に保育経験の中で感じた知識や子育てをする中で学んだことなどを総合的にまとめ、細かく記述していきます。

今回は排尿についてのメカニズムと大人の関わり方についてご紹介です。

おしっこのコントロール

排尿の自立(ここでは、尿意を感じて自分でトイレに行き、おしっこが出来ることを指します)をするには、体と脳の発達が深く関係しています。こどもの一般的な発達過程は以下の通りです。

排尿に関する発達過程

  • 0~6ヶ月:反射的に排尿する。
  • 6~12ヶ月:おしっこが膀胱にたまる感覚が分かる。
  • 1歳~2歳:尿意を感じることが出来、出たことを自覚する。排尿した際に、それが「おしっこ」であることを知る、またはおしっこと言われると何か分かる。
  • 2歳~:ほんの少しの間ならおしっこを我慢できる。意識的に排尿することが出来る。
  • 3歳~:尿が膀胱にいっぱいにたまっていなくても排尿することが出来る。

成長による変化

  • 成長に伴い、膀胱に溜めておけるおしっこの量が増えるので、1回にするおしっこの量が増える。
  • 成長に伴い、おしっこの1回量が増えるので、1日にするおしっこの回数は減る。
  • 成長に伴い、排尿間隔が長くなる。

月齢別!発達過程とトレーニングの進め方

0~6ヶ月:排尿のタイミングが分かりやすく、オムツ以外の場所に排尿することもできる

赤ちゃんは、意識しておしっこを出したり我慢したりすることはできず、膀胱に尿がたまったら反射的におしっこをします。まだ膀胱が小さく、溜められる尿の量もごくわずかなので、排尿回数も1日に15~20回とかなり多いです。排尿を反射的にするということは、排尿のタイミングもつかみやすいということになります。例えば、授乳中や授乳後、寝起きや姿勢を変えた時に排尿することが多いです。大人が赤ちゃんの排泄のタイミングでオムツを外せば、0ヶ月の赤ちゃんでもオムツ以外の場所に排尿することは可能であるといえます。生まれて間もない赤ちゃんでも、オムツが汚れて不快感を感じて泣いたりすることがあります。オムツ以外の場所に出来れば、排尿の気持ちよさを味わうこともできるのです。ただし、0か月では首が据わっていないので、トイレでの排尿は姿勢をとるのが難しいでしょう。その場合はホーローおまるを利用する手もあります。首すわりからお座りへと発達していくと、トイレやおまるでの排泄が楽になるでしょう。

6~12ヶ月:おしっこが膀胱にたまる感覚が分かる。タイミング良くトイレに連れて行けば、お座りをして排尿することができる

0ヶ月の頃と比べると、溜められる尿の量も増えているので1日の排尿回数も減少します。ただし、日中の排尿間隔は長くても1時間くらいでしょう。排尿回数が幼児に比べるとまだまだ多いので、逆に言えばトイレで排尿に成功できるチャンスも多いということになります。この頃に、トイレで排尿する体験をたくさんすることで、トイレは排泄をする場所という認識が少しずつできてきます。また、幼児になってからトイレトレーニングを始めると、オムツ以外の場所に排泄するのを拒むケースが見られますが、この頃にトイレで排尿をする経験を積んでおくと、大きくなったときに違和感なく本格的にトイレトレーニングを始められるでしょう。この頃は、オムツ以外の場所に排尿する体験が一番重要であると言えます。1才までにトイレは排泄をする場所だと理解出来たら十分です。

1歳~2歳:尿意を感じることができ、おしっこが出たことを自覚する。排尿したことを行動や言葉で伝える。それができたら、尿意を感じた時点で行動や言葉で伝えることを目標にステップアップしていく。

1歳のお誕生日を迎える頃から、排尿できた際にそれが「おしっこ」だと伝えます。「おしっこ」という言葉と、排尿の動作を関連付けて理解できるようになると、次第に排尿に対しての意識が高くなっていきます。また、この頃は排尿後に「でたね、すごいね」と褒めることがかなり重要になってきます。トイレで排尿する気持ち良さと、達成感を味わうことが大切です。また、排尿後に「でた」ということをこどもが大人に伝えられるようにしていきます。言葉が話せないうちは、行動でOKです。例えば股を手でたたくなど、そのこどもにとって簡単に出来る動作で伝えてもらう工夫をすると良いでしょう。「出た」ことが伝えられるようになると、トイレに無駄に長く座っている時間も減りますし、排尿の前に尿意を伝えることができる下準備にもなります。排尿後に行動や言葉で「でた」ことを伝えられるようになったら、いよいよ尿意を大人に伝えられるようにしていきます。これも行動か言葉で伝えられるように見本を見せていきます。出たことを事後報告することより排尿する前に尿意を伝えることの方がずっと難易度が高いです。どんな形であれ尿意を大人に伝えられるようになったら、かなり成長してきた証です。

2歳:短時間おしっこを我慢でき、意識的に排尿することに慣れる。

2才になると、膀胱にためられるおしっこの量も増え、1日の排尿回数が減り、排尿間隔が2時間以上あくようになってきます。そうすると、排尿のタイミングに合わせてトイレに連れていきやすくなるでしょう。しかしながら、2歳児は、イヤイヤ期まっただ中の子もいるため、体の発達や脳の発達、言葉の発達が十分でも、トイレに行きたくなかったりしてトイレトレーニングが上手くいかないケースがあります。

3歳:尿が膀胱にいっぱいにたまっていなくても排尿することが出来る。

膀胱に尿がさほど溜まっていなくても意識的に排尿できるようになります。そのため、外出の前や食事の前にトイレに行っておくなど、排尿のコントロールがとてもしやすくなります。また、この頃になると衣服の着脱ができる子も増える為、尿意を感じてトイレに行き、排尿してから部屋に戻ってくるという一連の流れが出来る子が増えるでしょう。

まとめ

[月齢別!発達過程とトレーニングの進め方]では、分かりやすいように月齢別に記述しましたが、トイレトレーニングで重要なのは月齢や年齢に合わせることではなく、おこさまの発達段階や様子に合わせることです。

トイレトレーニングは失敗もしながら排泄の自立を学んでいくものなので、早く始め過ぎるとこどもも保護者の方もストレスになる可能性があります。そのため、おこさまと保護者の方の準備が整ったら始めればよいのです。この記事では、体の発達と脳の発達、言葉の発達の流れを関連付けているので、この時期には実はこんな能力があるんだと知っていただけただけで幸いです。

トイレトレーニングを始める時期の目安に、こどもが自分で歩ける、言葉が分かる、意思を伝えられる、排尿間隔が2時間以上あくなどの項目がよく取り上げられます。それは、だいたいその時期には、体の発達・脳の発達・言葉の発達が整っていて、保護者の方もはじめやすいですよ、ということなのです。

トイレトレーニングは、おこさまが自分と向き合っている大切な時間でもあります。できなかったことよりも、できたことに着目できるようにしてあげることが、私は最も重要であると思います。排泄の自立は自信に大きくつながります。たくさん褒めて、嬉しい気持ちを共有できるといいですね。

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