保育士ママのなるほど!育児-Kumama-

現役保育士の一児のママのブログです。こどもの発達の過程にもとづいて、月齢・年齢に合わせた遊びや、発達を促すおもちゃを紹介します。★全国保育士養成協議会の会長表彰を受賞★

5つの基本的生活習慣とは?身につける時期と援助の方法

身に付けたい5つの基本的生活習慣とは?

基本的生活習慣とは、一般的に「睡眠・食事・排泄・着脱・清潔」の5つのことを指します。また、私はこれらに加えて"挨拶"や"学習"、"人と関わる際のマナー"も身につけたい生活習慣だと思います。生活習慣は、すぐに身に付くものではなく、毎日の積み重ねで身に付いてくるものです。また、年齢や発達段階に合わせて、徐々に方法や行う意味を伝えていくことがポイントです。

生活習慣を身に付ける時期は?

生活習慣は、0歳児でも保護者の方がリードしながら整えていくことで、睡眠や食事、排泄などの簡単な生活習慣なら徐々に身につけていくことが出来ます。そして、主な生活習慣の自立は3歳児に完了しておくことが望ましいでしょう。3歳児は、どうしてその生活習慣が必要なのかという"生活習慣の意味"を理解することが出来てくる頃です。3歳児までに、主な生活習慣を身につけ自立して行うことが出来るようにすることで、自分で出来るという自信と十分な意欲が生まれ、自己肯定感につながるでしょう。

生活習慣を身に付ける為に大切なこと

生活習慣を身に付けることは、こどもにとって容易なことではありません。それらは挑戦であり、自分自身との戦いでもあるのです。したがって、保護者の方は、おこさまが意欲的に取り組みながら生活習慣を獲得できるように、時には援助し、時には見守るといった使い分けをする必要がでてくるでしょう。生活習慣を身につける為には、一筋縄ではいかないことが本当に多いです。しかしながら、以下の7つのポイントを押さえることで、できるだけスムーズに生活習慣を獲得することができるでしょう。

  1. 大人が正しい見本を見せること
  2. 毎日こつこつと伝え、行っていくこと
  3. 子どもの様子や発達に合わせた課題を用意すること
  4. 身に付けるべき生活習慣の全体像を把握しておくこと
  5. "援助"と"見守り"の使い分けを行うこと
  6. こどもの意欲やモチベーションを保てるように援助すること
  7. 十分に褒め、認めてあげること

生活習慣別の身につけたい内容

睡眠:

早寝早起き、睡眠リズムを整える等

食事:

食具の扱い方、挨拶、姿勢、片付け、こぼさず食べる、残さず食べる、好き嫌いがあっても食べる等

排泄:

トイレでの排泄、排泄の際の衣服の着脱、トイレットペーパーの使い方、おしりの拭き方、尿意や便意を伝える、自分でトイレに向かう等

着脱:

衣服の着脱全般(衣服を脱ぐことから着ることまで)、ボタン・ファスナーの扱い、肌着をズボンにしまう、用途に合わせて帽子や上着の着脱をする等

清潔:

手洗い、うがい、手の拭き方、口の拭き方、汚れの払い方、お風呂等

挨拶:

おはよう、こんにちは、こんばんは、いただきます、ごちそうさま、ありがとう、ごめんね、返事等

学習:

集中力を維持する、机に向かう、ある事柄に対してやるべきことを行う等

人と関わる際のマナー:

気持ち良くあいさつができる、物の貸し借りができる、共感ができる、一緒に遊ぶことが出来る、意見を言える等

年齢別生活習慣

0歳児:

(睡眠)①安心して眠る②昼夜関係なく眠ることから、決まった時間に眠るようにする③必要なら、抱っこからトントンで眠れるようにしていく

(食事)①母乳やミルクから離乳食に移行する②離乳食で食べられるものを増やす③手づかみ食べなどで自分で食べる④スプーンやフォーク、ストローやコップを使ってみる⑤座って食べる

(排泄)①オムツ交換などで、きれいになる心地よさを体験する②オムツ交換を嫌がらずに行う③(可能ならトイレで排泄してみる)

(着脱)保護者に援助されながら着替える

(清潔)保護者に援助されながら清潔に過ごす

(挨拶)①泣いたり表情を変えて意思を伝える②指差しをしたり、うなづいたりして意思を伝える

(学習)①五感を使ってさまざまなことを知る、体験する

(人と関わる際のマナー)人と楽しく過ごすことを経験する、友達と同じ場所で過ごす

1歳児:

(睡眠)①午前寝がなくなり、午後寝1回(おひるね)と夜の2回になる②入眠方法を確立する③決まった時間に眠り、だいたい決まった時間に起きる

(食事)①ストローが上手に使える②スプーン、フォーク、コップを大人に見守られながら使用する③自分で食べる機会を増やす④手を叩くなどの行動でいただきますなどの挨拶をする④好き嫌いが出てくるが、援助されながらなんとか食べる

(排泄)①尿意、便意を感じることができる②排泄後に「でた」と知らせる③(可能ならトイレに座ってみる)

(着脱)①靴下を自分で脱ぐ②自分で脱げそうな服の時は挑戦してみる③靴の着脱が増える④靴のマジックテープを留めようとする⑤「脱ごうね」「着ようね」などの言葉が分かる

(清潔)①手洗いに挑戦する②手に泡を付けてもらい、ごしごししようとする③洋服についた汚れを自分ではたく④歯ブラシで歯を磨いてもらう⑤お風呂では、体の洗い方について知る

(挨拶)①頭を下げるなどして行動で挨拶ができる②手を振ってバイバイができる③手を合わせていただきますの挨拶が出来る

(学習)①少しの間集中して物事を行うようになる②椅子に座ってテーブルに向かう習慣を作る③行動や言葉を真似しようとする

(人と関わる際のマナー)①行動で挨拶ができる②友達を少し意識しながら、同じ場所で遊ぶ

2歳児:

(睡眠)①自分で眠りに付くことが出来る子もいる

(食事)①コップを上手に使う②スプーン・フォークを自分で使って食べる③手づかみ食べが減る④いただきます、ごちそうさまの挨拶を言葉でも言える子が増える⑤食具をケースに自分でしまうことが出来る

(排泄)①排尿時間に合わせてトイレに行ってみる②トレーニングパンツに挑戦する③排泄のあと「でた」と知らせることが出来る④尿意・便意を伝えられる子もいる⑤トイレットペーパーを使う練習をする⑥水を流すことが出来る

(着脱)①多少手伝ってもらいながら洋服を脱ぐことができる②自分で洋服を着る練習をする③ボタンに挑戦する④服をたたむ練習をする④自分で上手に靴を履くことが出来る

(清潔)①手洗いができる②うがいができる③服が汚れたら着替えようとする④お風呂で体を洗おうとする

(挨拶)①言葉であいさつをする②食事の挨拶、人と会った時の挨拶、ありがとうなどの言葉、貸し借りの言葉など最低限の挨拶ができる

(学習)①自分でしたいことがはっきりとしており、意欲があることに対しては、特に集中して行う②一人遊びが良く見られる②友達と関わりながら遊ぶ③簡単なルールがわかる④ペンを正しく持つ練習をする

(人と関わる際のマナー)①自分の意見を言える場合もある②貸し借りの言葉を使う練習をしていく③気持ちを言葉で表現する④共感の意思や自分の意見を伝えることができる⑤順番について理解し、援助されながら行う

3歳児:

(睡眠)①おひるねをしない子もでてくる②夜ぐっすりと眠る

(食事)①スプーン・フォークを上手に使って食べる②おさらにある食べ物を集めて最後の一口まで上手に食べる③はしの練習を開始する④大人の援助なしで、ひととおり食べることが出来る

(排泄)①トイレに自分で向かい排泄することが出来る②上手におしりをふくことができる③排泄後の手洗いも言われなくても自分で行う

(着脱)①衣服の着脱のほとんどを自分で行う②洋服を上手にたたむことが出来る③

(清潔)①手洗い、うがいが自分でできる②歯磨きを自分でするが、仕上げ磨きは援助してもらう③汚れたら自分の意思で着替える

(挨拶)日常生活に必要な挨拶がほとんどできる

(学習)集中力がついてきて、与えられた課題についても取り組むようになる

(人との関わる際のマナー)①順番や貸し借りのルールを守りながら友達と一緒に遊ぶことが出来るが、意見が会わず衝突する場面もある②小さい子に優しくしようとする

 

 

 

 

 

あいさつ:

人との接し方:物の貸し借り、順番、接し方など

学習意欲:集中力、机に向かう習慣など